令和3年11月に開業され、現在5名の従業員を抱えるステラリンクス税理士事務所 北島先生に、2023年リリースの新サービス「スキャンセンター for STREAMED」（以下スキャンセンター）の導入や活用方法について伺いました。

記帳はアウトソースを活用し、生産性にこだわる

　独立にあたって、残業時間をゼロにすることと、経営コンサルティングに力を入れることが私の目標でした。しかし、短い労働時間で、他の事務所と同じくらいの価値を生み出すには、とにかく生産性にこだわらなければなりません。

　そこで「記帳はアウトソーシングにして、内部のリソースを割かない」という方針を決め、STREAMEDを導入していました。スキャンセンターは、担当の方から話を聞き、導入を決めましたが、はじめに流れを丁寧に説明してもらったので、イメージはしやすかったですね。

　最初はスキャンセンターへの郵送の日数がかかる分、作業が遅れるのではないかと思いましたが、納品が想像以上に早いので、記帳が終わるまでの日数はむしろ短くなりました。

スキャンセンター導入による3つの効果

　スキャンセンターによって、当事務所が得られたメリットは3つあります。

　ひとつ目は、それまで多くの時間を割いていたスキャンの作業時間を、別の業務に充てられるようになったことです。通常期でも、丸一日はスキャンに専従するスタッフが必要でしたし、確定申告の時期は1日では足りず、週の業務のおおむね4割 はスキャン業務をしているような状態でしたから、本当に助かっています。

　2つ目は、在宅勤務率を向上できたことです。私が開業した頃は、まだコロナ禍が沈静化していなかったため、どうせなら在宅勤務率100％を目指そうと考えていましたが、いくら他の業務で工夫しても、郵送で事務所に資料が届いたときだけは、誰かがスキャン作業のために出勤しなければなりませんでした。
　しかし、お客様からスキャンセンターに資料を送ってもらうようにしてからは、それもなくなりました。ここ数カ月は、私以外のスタッフは在宅勤務率100％を達成しています。

　3つ目は、スキャンセンターからの通知により、スケジュールを立てやすくなったことです。これまでは、資料が届いたことを確認してから、スタッフに連絡を取り、事務所でスキャン作業をしてもらうための出勤日を調整してスケジュールを組まなければなりませんでしたが、そうした手間も全て不要になりました。
　また、お客様から「今日、資料を送ったよ」といった連絡をもらったり、こちらから確認を入れたりする必要がなくなったことも助かっています。

分類方法の工夫でさらなる効率化を進める

　スキャンセンターには、STREAMEDにアップロードして仕訳をするものだけでなく、アップロードはしないが会計書類として保存しておきたい資料も依頼しています。前者は「①現金領収書」「②通帳」「③カードの明細」として設定し、後者は「④売上請求書」や「⑤その他」というように番号を割り当てて送付しています。

　お客様には「①現金領収書」などの分類名を書いた紙をお客様に渡し、それぞれで分けたクリアファイルに書類を入れてもらっています。このように紙をあらかじめ渡すことで、郵送する書類のリマインドにもなります。実際に、以前はしばしば通帳を送り忘れていたお客様が、この方法にしてからは忘れなくなったというメリットもありました。

　さらに、このような分類にすることで、スキャンデータを見たスタッフが、①～③はSTREAMEDへアップロードをし、④と⑤は事務所のフォルダに保存するなど、迷わずその後の処理できるようになります。

多くの人が本当にやりたい仕事に携われる業界に

　STREAMEDを導入する前までは、私自身も会計入力をしていました。タクシーのレシートを1枚ずつめくり、これを本当に会計事務所がやらなければならないのかと、疑問を感じていました。今は、記帳業務からほぼ解放され、本当にやりたかった中小企業のコンサルティングに注力できています。

　コンサルティングは、本当に面白い仕事です。中小企業の経営者のリアルな悩みを聞き、それを改善するための提案をして、その結果、会社が発展して売上や従業員が増えていく成長過程を、間近で見続けることができます。大変なときもありますが、やはり楽しいですね。
ひとつでも多くの会計事務所さんや職員さんが、本当にやりたい仕事に携われるようになってほしいと思っています。