1970年創業、2019年に旧アイクスグループと旧東京税経センターグループが統合して誕生したセブンセンスグループ様。創業から55年を超える歴史の中で、AIやクラウドの活用を積極的に進め、業務の効率化にとどまらず、中小企業支援の質の向上や、会計業界の魅力向上にも取り組んでいます。

事務所のご紹介を兼ねて、理念や大事にしていることを教えてください

私たちのグループ名「セブンセンス」には、組織としての価値観が込められています。人間が持つ五感に「第六感（シックスセンス）＝直感」を加え、さらにもう一つ大切にしたい感覚、それが「ユーモア（Humor）」です。
ここでいうユーモアとは単なる笑いのことではなく、仕事におけるやりがいや達成感、仲間と共に働く楽しさのこと。そうした“心のゆとり”を持ちながら、誇りをもって仕事に取り組む文化を大切にしています。

また、静岡に根差した50年以上の歴史のなかで最も重視してきたのが「変化し続けること」と「チャレンジを止めないこと」。

それを言語化したのが「チャレンジing×チェンジing」という現在のグループ理念です。時代の変化に柔軟に対応し、自らも変化しながら前に進む。セブンセンスという名前自体が、そうした姿勢を象徴しています。

「STREAMED」と「マネーフォワード クラウド会計」を導入したきっかけを教えてください

旧アイクスグループでは2006年頃から、ペーパーレスや分業による業務効率化に積極的に取り組んできました。社内のシステム環境を整え、仕訳を入力しない体制を築くべく、記帳業務のアウトソーシング化を早期に進めていました。

一時は中国に合弁会社を設立し、8～9割の記帳業務を現地で処理していたこともありましたが、通信遮断リスクなどを考慮して撤退を決断しました。その後は、自社開発の自動仕訳ツールを使い、記帳作業の自動化を図ってきましたが、法改正など外部環境の変化に伴う改修が困難で、社内開発の限界を実感しました。

こうした経緯で、より安定した業務フローを求めてSTREAMEDの導入を決めました。

STREAMEDの導入はどのように進めていったのでしょうか

まず「現場の声を拾いながら、小さく試して確実に進める」というスタンスが、当社のツール導入における基本姿勢です。
そのため、当社ではいきなり全体展開を目指すのではなく、まずは実務に強い少人数のメンバーでパイロット運用を始めました。

初期導入メンバーには、「とにかく触ってみよう」「まずは自分でやってみる」というマインドセットを持ってもらい、また、わからないことがあればすぐに検索して解決できるように環境面も整えました。
実際、操作は非常にシンプルで、初心者でもすぐに使える設計だったため、試行錯誤しながらもスムーズに習熟していきました。

同時に、ナレッジ共有の仕組みも重要なテーマでした。
社内で使っている情報共有ツールに操作の基本からちょっとしたコツ、注意点までを網羅した「社内Wiki」のようなマニュアルを設置し、新人でもすぐにキャッチアップできるように整備しました。

さらに、マネーフォワード社からの支援も非常に手厚く、集合研修やヘルプコンテンツ、eラーニングなどの多様なサポートがあったので、「試験文化」に馴染みのある業界特性も相まって、自然とモチベーション高く学習が進んでいきました。

STREAMEDの導入にあたり、苦労された点はありましたか

確かに、過去の仕訳を一度取り込むといった細かな作業は必要でしたが、それも「一瞬の手間」程度で済んだので、特に大きな苦労はなかったです。

やはりポイントは、導入の下準備を限られたメンバーが徹底的に行ったことだと思います。
全職員に操作を任せるのではなく、プロジェクトチームのような限られたメンバーでお膳立てをしたうえで、「いつの間にか正しく使えるようになっている」状態をつくったことがスムーズな浸透につながりました。

STREAMEDを導入したことで、どのような効果がありましたか

単なる業務効率化にとどまらず、チームの働き方やコミュニケーションのあり方にも大きな変化をもたらしました。

まず実感しているのは、「作業の同時進行性」が大きく進んだことです。
STREAMEDでは、納品ステータスが一覧で把握できるため、「今どの案件に手をつけられるか」が一目瞭然。担当者の間での作業の受け渡しもスムーズになり、業務全体のスピードと柔軟性が格段に向上しました。

また、STREAMEDの学習機能を活用することで、ベテラン社員の頭の中にあった暗黙知が、仕組みとして形式知化されたことも非常に大きな成果です。
これにより、判断がブレにくくなり、チーム全体で「標準的な品質」を保てるようになっています。今では「STREAMEDを見ればだいたいわかる」という状態が整ってきています。

こうした業務の「仕組み化」と「標準化」によって、結果的にスタッフ一人ひとりの役割も再定義され、より価値の高い業務へのシフトが進んできたと感じています。

今後の展望について、教えてください

セブンセンスグループとしての今後の展望は、3つの軸を中心に描いています。

1つ目は、AIをはじめとする先端テクノロジーの活用推進です。
進化のスピードが著しいAI領域において、私たち自身が試行錯誤を重ねながら成果を上げ、その知見を業界や顧客と共有していくことが重要だと考えています。

2つ目は、中小企業支援のさらなる深化です。
税務や会計にとどまらず、経営全体を視野に入れた「現実的かつ持続可能な変革支援」に重きを置き、“中小企業フレンドリー”な伴走を目指しています。

3つ目は、会計業界そのものの魅力を高めることです。
未来の人材にとって「この業界は面白そう」「やりがいがある」と思ってもらえるような発信や仕掛けを、これからも積極的に行っていきたいと考えています。